能登町 地震で漁船失った漁師が新たな船で漁再開

石川県能登町の66歳の漁師は、能登半島地震の影響で15年間愛用してきた漁船を失いましたが、漁をあきらめたくないと行政の補助を受けて新たな船を購入し、24日、スルメイカ漁を再開しました。

新しい漁船でスルメイカ漁を再開したのは能登町の漁師、太田均さん(66)で、24日は昼すぎに帰港し、とれたスルメイカの水揚げ作業を行いました。
太田さんが15年間愛用してきた漁船「宝雄丸」は、元日の地震の影響で土砂崩れに巻き込まれて水没し、例年であれば1月から始まる漁に出ることができない日々が続いたといいます。
しかし、漁をあきらめたくないと、国や県などが漁船の購入費を補助する事業を活用し、北海道函館市で使われていた中古の漁船を購入しました。
新しい漁船は4月中旬に整備が完了したということで、太田さんは23日、船に氷を詰める作業を行いました。
新しい船にも同じく「宝雄丸」と名付けたということで、太田さんは「一度はやめようとも思ったが中途半端では終わりたくなかった。うまくいかず転ぶこともあるとは思うが、前向きに転べばまた何か見えてくると思うので、前向きに頑張りたい」と話していました。
24日の漁でとれたスルメイカの量は少なかったということですが、夜に金沢市で行われる競りに出荷されたということです。
太田さんは「沖の船からの景色をまた見ることができるとは思っていなかった。きょうはあまりとれなかったがまたすぐに行きたくなる。次はもっと気合を入れて頑張ろうかなと思っている」と話していました。