能登町 手打ちそば店が約4か月ぶり再開

能登半島地震のあと休業を余儀なくされていた能登町のそば店が、客からの励ましの声に背中を押され、およそ4か月ぶりに営業を再開しました。

営業を再開したのは、能登町当目にある「夢一輪館」です。
店主の高市範幸さん(72)が、地元の山の湧き水も使って、およそ4か月ぶりにそばを打ちました。
観光客を呼び込み、地区を元気にしたいと30年前に開いた店は、能登半島地震で床の一部が陥没したほか、冷蔵庫などの設備が壊れ、高市さんは一時は、店を閉めることも考えました。
それでも、再開を願う客たちから寄せられた励ましの声に背中を押され、大切にしていた珠洲焼のつぼや輪島塗の盆が被害を受けなかったこともあり、気持ちを切り替えることができたということです。
再開初日のきょうは、さっそく常連客が訪れ、高市さんのそばに舌鼓を打っていました。
客のひとりは「やっぱりおいしいです。この日が来ることを待っていました」と、うれしそうに話していました。
高市さんは「小さな店ですが、それを守るのも私の仕事ではないかと思っています。能登のためにあと10年はがんばります。たくさんの観光客にも来てもらい、そばを食べてほしいです」と話していました。