珠洲市 地震で被災の揚浜式塩田で塩作り神事 

能登半島地震で大きな被害を受けた珠洲市で、伝統的な技法による塩作りが始まるのを前に神事が執り行われました。
珠洲市の仁江海岸にある「道の駅すず塩田村」では、江戸時代以前から行われてきた国の重要無形民俗文化財の「揚浜式」と呼ばれる技法で塩を作っています。
24日、塩作りが始まるのを前に「塩浜祝」と呼ばれる神事が執り行われ、製造にあたる職人など10人あまりが出席し、作業の安全と地震からの復興を祈願しました。
「揚浜式」は、砂地の塩田にくみ上げた海水をまき、天日で水分を蒸発させます。
そして、集めた砂に海水をかけて作った濃い塩水を釜で煮て塩を製造します。
道の駅によりますと地震の影響で▽一部の塩田に亀裂が入ったほか、▽海底が隆起し海岸線が50メートルほど沖合に動いたため海水をくみあげるホースを延長させたということです。
さらに、塩作りに携わっていた1人が亡くなったほか市外へ避難している人も多くいて、製造量は去年の3分の2程度まで減る可能性もあるということです。
塩作りの指揮を執る「浜士」の浦清次郎さんは「なんとか塩作りを始められ、ほっとしています。人手不足など問題もありますが、伝統を絶やさぬようがんばります」と話していました。
この道の駅では、10月中旬ごろまで塩作りが続くということです。