断水長期化の珠洲市 寺の井戸水で地元の住民たちが洗濯

能登半島地震からまもなく4か月となるなか、断水が長期化している石川県珠洲市では、寺の敷地内に井戸を掘って水を確保し、自宅で洗濯ができない地元の住民たちが利用しています。

石川県珠洲市では、4月19日時点で、市内のほぼ全域で、全体の6割ほどの約2830戸で断水していて、地震発生から3か月以上がたっても影響が続いています。
こうしたなか、地震で本堂が大きく壊れた珠洲市飯田町の「乗光寺」では、ボランティアが井戸を掘ったところ、十分な量の水を確保できたということです。
このため、ボランティアから譲り受けたものなどあわせて4台の洗濯機を置いて、自宅で洗濯ができない地元の住民が無料で使えるようにしました。
22日は、午前9時ごろから地元の住民3人が洗濯に訪れ、世間話に話を咲かせながら、かごや袋いっぱいの洗濯物を洗っていました。
自宅が断水していて避難所で暮らしているという70代の女性は「ここで洗濯ができるようになるまでは、支援物資の服を着て捨ててを繰り返すしかありませんでした。本当に感謝していて涙が出る思いです」と話していました。
乗光寺の住職の妻、落合誓子さんは「洗濯だけでなく食器の洗い物もできるので、水に関する困りごとを解決できれば嬉しいです」と話していました。