能登町「曳山祭」 地震被害で子どもが小さな山車を引く

高さ6メートルの大きな山車が登場することで知られる石川県能登町の春祭りが、地震で道路に被害が出たことなどを受けて、代わりに子どもたちが小さな山車を引く形で行われました。

能登町の宇出津地区では、毎年この時期に伝統の「曳山祭」が行われ、高さ6メートル、幅8メートルほどの大きな山車「曳山」が登場することで知られています。
しかし、ことしは地震の影響で道路に亀裂が入ったことなどから「曳山」の巡行を断念し、展示のみを行うことになりました。
住民たちは、神社から風神・雷神をかたどった人形などを運び出したあと、「曳山」に乗せて色鮮やかな幕を飾りつけ、広場でお披露目していました。
一方、ことしの祭りでは、高さ2メートルほどの小さな曳山「ちょんこ山」が用意され、子どもたちによる練り歩きが行われました。
紫のはっぴを着た子どもたちは、木遣り歌とかけ声に合わせて力強く「ちょんこ山」を引き、堂々とした姿でまちを巡っていました。
沿道には、2次避難先から駆けつけた人も含めて多くの住民が集まり、久しぶりのまつりの雰囲気を楽しんでいました。
木遣り歌を披露した中学1年の女子生徒は「地震のあとの初めての祭りでとても楽しかったです。木遣り歌もうまく歌えました」と話していました。
実行委員長を務める伊勢実さんは「例年とは違う形ですが、子どもたちに楽しんでもらいたいと開催を決めました。いい表情で参加してくれてエネルギーをもらいました」と話していました。