珠洲市の老人ホーム再開 3か月ぶり入所者帰還

能登半島地震で被災し、入所者の多くがほかの施設に移っていた珠洲市の特別養護老人ホームでは水道などが復旧したことで受け入れが再開され、16日は2人の入所者が3か月ぶりに施設に戻りました。

珠洲市にある特別養護老人ホーム「長寿園」では発災当時、およそ100人の入所者が暮らしていましたが、地震による建物の被害や断水などの影響で衛生環境を保つことが難しくなりました。
このため施設は受け入れ先が見つかった入所者を順次、ヘリコプターなどでほかの施設に移し、一時は8人にまで減りました。
その後、電気や水道が復旧したことで3月中旬以降本格的に受け入れを再開し、15日の時点で37人が暮らしています。
16日は白山市と野々市市に避難していた2人が施設の送迎車で午後5時半ごろに到着し、およそ3か月ぶりに施設に戻りました。
2人は車から降りるとスタッフに手を振ったり握手をしたりして、久しぶりの再会を喜びあっていました。
施設に戻った小林フサさん(86)は「ここに戻ってくることができてうれしいです。施設は暖かくて『やっと帰ってきた』と安心しました。以前のようにみんなと仲良く過ごしたいです」と話していました。
特別養護老人ホーム「長寿園」の中村充宏施設長は「地震発生当時は電気もきておらず断水もしていて、十分なケアができないと判断し避難してもらいました。きょう、元気に戻ってきてもらえて『おかえり』という気持ちと『よかった』という思いでいっぱいです。入所者の健康に留意しながら元どおりの生活を送ってもらえるようにしていきたいです」と話していました。