能登島で「イルカツアー」 観光施設などは休業 再建見通せず

能登半島地震で被害を受けた石川県七尾市の能登島では観光客に人気の「イルカツアー」の営業が4月から始まっていて、参加者がイルカとのふれあいを楽しんでいます。
一方、多くの観光施設や宿泊施設は休業したままで、島のなりわいの再建は見通せない状況です。

「イルカツアー」を行っているのは、能登島で民宿を経営する石田直人さんです。
地震の影響で、今も一般客向けの宿泊の受け入れは再開できていませんが、少しでも日常を取り戻したいと例年どおり、4月から「イルカツアー」の営業を始めました。
16日は東京と金沢市から訪れた2人がツアーに参加し、港から船で沖合に向かいました。
七尾湾には地震後も変わらず多くのイルカが生息していて、参加した2人は群れと一緒に泳いだり、船の上から写真を撮ったりして楽しんでいました。
東京から訪れた40代の女性は「地震の前から、イルカのツアーに来ています。能登島の自然も人も好きなのでこれからも変わらず来続けたいと思います」と話していました。
石田さんは「少しずつでも自分のできることを始めたいと思い、今シーズンのツアーを始めました。イルカと遊ぶお客さんの姿を見ることができてよかったです」と話していました。
一方、能登島では今も水族館やガラス美術館など人気の観光施設の休業が続いているほか、一般客の受け入れを再開できた宿泊施設は5軒と全体の2割ほどにとどまるなど、なりわいの再建は見通せない状況です。
「能登島観光協会」の谷口和義会長は「5月の大型連休の観光客やその後の学校の体験旅行なども受け入れができなくなってしまい歯がゆいです。まずは能登で復興業務にあたる人に宿を提供するなどして、地域の復興に携わりたいです」と話していました。