輪島市の高校 新学期を迎え利用が限られる中で部活動も再開

能登半島地震で大きな被害を受けた石川県輪島市の高校では新学期を迎えて部活動も再開し、生徒たちはグラウンドや体育館などの利用が限られる中で練習に汗を流しています。

石川県輪島市の輪島高校は、新学期が始まったのにあわせて9日から部活動も始まりました。
しかしグラウンドには被災地の復興にあたっている自衛隊の車両が置かれているため、野球部とサッカー部は別の場所を借りるなどして練習していて、10日もサッカー部の部員たちがバスで別のグラウンドに向けて出発していました。
また2つある体育館も自衛隊員の宿泊場所や避難所となっているため、利用可能なスペースで3つの運動部が曜日ごとに交代しながら練習しています。
10日は男子バスケットボール部と男子バレーボール部が同じ場所で久しぶりの練習に汗を流していました。
このうち男子バレー部は去年の県大会でベスト8に入った強豪ですが、地震のあと10人いた部員のうち6人が2次避難で金沢市の高校に転校や一時転学をしたということです。
このままではチームが組めなくなるため、転校した部員も含めた元のメンバーで公式大会に出られないか、石川県高校体育連盟などにも掛け合いましたが認められなかったということです。
ただ、10日の練習には入部前の新1年生も3人参加していて、今後の新たなチーム編成に希望を持たせる雰囲気の中で部員たちは声を掛け合いながら練習に励んでいました。
3月まで金沢市で2次避難していた2年生は「避難しているときはみんなに会いたかったので、久しぶりに学校で練習ができて最高です。転校したチームメイトも頑張っていると思うので、僕たちも頑張りたい」と話していました。
顧問の奥野拓海教諭は「地震のあと、はじめて部活をしたとき練習に励む生徒の姿に涙が出る思いでした。部活に限らず、これからできることを全力で頑張ってほしい」と話していました。
輪島高校の平野敏校長は「生徒一人ひとりが工夫を重ねて部活に取り組む姿はとてもけなげに思う。地震が起きてまもないので、生徒どうしで気持ちの違いはあると思うが、自分のペースで一歩ずつ前に進んでほしい」と話していました。