能登町の酒蔵会社 施設借りて製造の日本酒が完成

能登半島地震で被災した石川県能登町の酒造会社が県内の別の酒造会社の施設を借りて製造した日本酒が完成し、11日瓶詰めの作業が行われました。

石川県能登町にある「松波酒造」は、日本酒を醸造する蔵が地震で倒壊しましたが、約3トンのコメは被害を免れ、県南部の小松市の酒造会社にコメを移して酒造りを続けてきました。
2ヶ月間かけて醸造したことしの新酒が完成し、11日、タンクに入った酒が機械で瓶に詰められました。
新酒は、復興に向けて前進するという意味などを込めて「大江山GO」と名付けられ、ボランティアの人と手分けをしてコメの品種などが書かれたラベルを貼り、出荷の準備を行っていました。
石川県酒造組合によりますと、地震の被害が大きかった輪島市、珠洲市などの奥能登地域には11の酒造会社がありますが、このうち8社が県内外の酒造会社の施設を借りて製造を始めたということです。
小松市の酒造会社の杜氏の奥田和昌さんは「要望の味を再現するのはチャレンジでしたが、酒造会社どうしで協力し合って完成できたのは本当にうれしいです」と話していました。
「松波酒造」の7代目の金七聖子さんは「地震を乗り越えたコメがお酒になって感無量です。甘みがあり後味がすっきりした味が再現できたので早く地元にも届けたいです」と話していました。
この新酒は4月17日には県内の酒店などの店頭に並ぶ予定だということです。