被災地で復旧工事に向け「基準点」を測り直す作業進む

能登半島地震の被災地では、地盤の変動で土地の測量に必要な、標高などを示す「基準点」がずれたため、国土地理院は、今後の復旧工事に向けてより正確な土地の測量ができるよう「基準点」を測り直す作業を進めています。

能登半島地震では石川県の輪島市西部で地盤が最大約4メートル隆起し、北部では最大約3メートル西側にずれるなどして土地の測量で使う「基準点」の多くもずれました。
国土地理院によりますと、「電子基準点」は2月から公開が再開されましたがそのほかの、標高を示す「水準点」と緯度経度を示す「三角点」は能登地方を中心に情報の公開ができない状態が続いているということです。
国土地理院は、今後の復旧工事に向けてより正確な土地の測量ができるよう先月中旬から「水準点」などを測り直す作業を始めていて、4日は輪島市門前町の黒島漁港の近くで測量が行われました。
この場所は地盤が約4メートル隆起し、海底が露出した状態になっていて国土地理院から委託を受けた測量会社の人たちが作業にあたっていました。
今回測り直す「水準点」は、能登地方を中心に157か所、道路の総延長で290キロに及ぶということで、作業員たちは2キロごとにある「水準点」の間で、計測器を使って正確な標高を測っていました。
測量は5月中旬まで行われ、6月下旬をめどに情報が公開されるということです。