輪島市から集団避難していた中学生が地元に戻る 集団避難終了

能登半島地震を受けて、石川県輪島市から市外の施設に集団で避難していた中学生が、約2か月間の滞在を終え、22日夕方、地元に戻りました。
県内では、一時約400人の中学生が地元を離れて避難生活を送っていましたが、これですべての集団避難が終了しました。

22日、集団避難を終えたのは、白山市の施設に滞在していた輪島市内の中学校に通う1年生と2年生、あわせて99人です。
生徒たちは、オンラインで行われた終業式に出席したあと、このうち46人が職員たちが見送る中バスに乗り込み、約2か月間滞在した施設をあとにしました。
そしてバスは午後5時すぎに輪島市内に到着し、生徒たちは次々にバスから降りると、出迎えた保護者たちのもとへ笑顔で駆け寄り、再会を喜んでいました。
1年生の男子生徒は「まだ余震は心配ですが、久しぶりに帰ってこられて、お母さんとたくさん話がしたいです」と話していました。
また、母親の1人は「久しぶりに会ったら娘の背が伸びていました。きょうは家族みんなでおすしを食べたいと思います」と話していました。
石川県によりますと、震災後、輪島市や珠洲市など3つの市と町から、一時約400人の中学生が県内の別の自治体で避難生活を送っていましたが、22日で、すべての生徒が集団避難を終えたということです。

中学生の集団避難が終了したことを受けて、輪島市教育委員会の小川正教育長は、22日午後、市役所で会見を開きました。
このなかで小川教育長は、「ボランティア団体や企業、それに個人の方から物心両面で多大なご支援をいただいた。こうした支えがあったからこそ、避難していた生徒を無事に保護者のもとに帰すことができた」と述べ、関係者に対して感謝の意を示しました。
そのうえで「集団避難にあたり、震災直後の大変な状況で生徒と保護者のみなさんに大変な判断を迫ることになった。苦渋の決断に対し、ご理解いただいたことに心から感謝申し上げます」と述べました。