和倉温泉の経営者ら 能登地域の復興ビジョンを馳知事に提出

能登半島地震で大きな被害を受けた石川県七尾市の和倉温泉の経営者らのグループが、能登地域全体の復興に向けてまとめたビジョンを馳知事に提出しました。

石川県を代表する観光地のひとつ和倉温泉は、地震による建物の被害や断水で20余りある旅館やホテルのほとんどが休業を余儀なくされ、再開のめどは立っていません。
地元の宿泊業や飲食業の若手経営者らのグループは、2040年を見据えて能登地域全体の復興に向けたビジョンをまとめ、11日に県庁で馳知事に提出しました。
このなかで経営者らは「能登の景観の保全や経済の循環、人々の交流など『地域をめぐる力』をコンセプトに、和倉温泉の復興に取り組みたい」と報告しました。
これに対して馳知事は「インフラの復旧と並行して新しい街づくりの具体化に向け、みなさんと協力したい。和倉温泉が引き続き能登観光の結節点であり続けられるよう支援していきたい」と述べ、今回のビジョンを県の観光施策にも反映させる考えを示しました。
復興ビジョンを提出したグループの委員長を務める多田健太郎さんは「どの旅館も大きなダメージを受け、取り壊す必要があるかまだ判断できない状況だ。地域の関係者が一体となって少しずつでも再生に向けて取り組みたい」と話していました。