輪島市の中学校で卒業式

能登半島地震で大きな被害を受け、生徒の多くが親元を離れて集団避難していた石川県輪島市の中学校で卒業式が行われました。

輪島市では今回の地震のあと一時、およそ250人の中学生が県内の別の自治体に集団避難していましたが、3年生は8日までに全員が地元に戻り、9日、市内にある3つの中学校すべてで卒業式が行われました。
このうち、門前中学校の卒業式でははじめに出席者全員で地震で犠牲になった人たちに黙とうをささげました。
そして17人の卒業生1人1人が壇上にあがり、福光明校長から卒業証書を受け取りました。
続いて福光校長が「能登半島地震の影響で今後の見通しが見えず不安なことも多い状況ですが、誰もが自分1人では生きてはいけません。これから出会う人を大切にして、成長していってください」と呼びかけると、卒業生代表の細川暖さんは「炊き出しや物資の支援、医療支援などたくさんの方々から笑顔や心のぬくもりをいただきました。私は看護師を目指しています。いつか私も人の心をあたためられるような人になりたいです」と答辞を読み上げました。
学校によりますと、卒業した生徒たちは市内の高校などに進学するということです。
卒業した女子生徒は「地震のあとの生活は不便で、友達とも会えず不安だらけでしたが、卒業できて良かったです。復興を願いながら、友達との時間を大切に高校生活を送ります」と話していました。
男子生徒は「コロナや地震で学校の行事が制限され苦しいこともありましたが、卒業できてうれしいです。バスケットボール選手になるという目標があるので高校でも頑張ります」と話していました。