スクールカウンセラーが”不安な気持ち”の中学生に心のケア

能登半島地震で被災した子どもたちから「眠れない」などと不調を訴える声があがっているとして、スクールカウンセラーが、石川県珠洲市の中学校で、不安な気持ちへの対処法などを学ぶ授業を行いました。

能登半島地震で被災した子どもたちの心のケアのため、文部科学省は、石川県珠洲市や輪島市、能登町にスクールカウンセラーを派遣していて、のべ600人余りの子どもたちが面談を受けています。
8日は、兵庫県から派遣されたスクールカウンセラー2人が珠洲市の三崎中学校を訪れ、まず養護教諭から状況を聞き取りました。
養護教諭によりますと、生徒からは「不安で眠れない」とか「頭が痛い」「お腹が痛い」と不調を訴える声があるといい、「授業中もぼんやりしている生徒がいる」などと説明していました。
これを踏まえ、スクールカウンセラーが、1年生から3年生の15人に心のケアに関する授業を行い、生徒たちが今の心と体の状況を怒りっぽい、眠れないなどと記されたチェックシートで確認しました。
中には「週3日から5日」の頻度で、「勉強に集中できない」と答える生徒もいました。
その上で、眠れないときの対処法を話し合い、生徒からは音楽を聞く、好きなことを思い出すといった意見が出されました。
スクールカウンセラーは、肩を上げたあと一気に力を抜くなど体をリラックスさせる方法や、頑張るときと休むときの切り替えを意識するといった対処法も説明していました。
3年生の女子生徒は「自宅に住めず、眠れないときや集中できないときがありました。自分の心と向き合いながら、落ち着いて頑張りたいです」と話していました。
養護教諭の小坂眞子さんは「生活環境が変わる中、1人でゆっくりする空間が欲しいという声も聞かれ、継続して健康チェックや声かけをしていきたい」と話していました。
スクールカウンセラーで、東日本大震災でも活動した兵庫教育大学の冨永良喜名誉教授は「家族や友達と離れ離れになった寂しさや不安から、夜に眠れないという声が聞かれます。この時期に集中できないことは自然な反応で、子どもたちが知識を得て対処できるよう、長期の支援が必要です」と指摘しています。