経験豊富なボランティア 独自に宿泊先確保し活動する団体も

能登半島地震で石川県に集まった、被災地での支援活動の経験が豊富な専門ボランティアのなかには独自の拠点を設けるなど、自立して活動を続ける団体もあります。

愛知県に拠点を置く災害復旧支援のボランティア団体は、地震発生直後から被災地に入り、活動を続けています。
地元の社会福祉協議会からの相談や、地元の住民から直接依頼を受けて活動にあたり、在宅避難者への支援物資の配布や、被災者への炊き出し、がれきに埋もれた車の救出や、大きながれきの撤去など内容は多岐に渡るということです。
18日は、珠洲市の社会福祉協議会からの依頼を受けて、本堂などが倒壊し、大きな被害を受けた市内の寺で、重機を使って崩れた塀を撤去していました。
断水などの影響で宿泊場所が確保できない中、この団体は支援を長期的に続けるため、珠洲市内に寝泊まりができる独自の活動拠点を設けて活動しています。
活動拠点は、もともとはクリーニング店だった空き家で、この団体が去年5月の地震の際に支援をした地元の人から紹介してもらったということです。
拠点には、団体のメンバーが寝泊まりするスペースがあるほか、入浴もできるようになっています。
最近は、地元の人も使える仮設のトイレも設置しました。
災害復旧支援ボランティア「チームふじさん」の藤野龍夫代表は、現在の活動状況について「団体のメンバーは、自己完結でき、車中泊も平気だという『つわもの』ばかりですが、それでも疲れがたまります。復旧を少しでも早く進めるためには多くのボランティアが宿泊し、現場で長い時間、活動できる、拠点づくりが必要だと思う」と指摘していました。
また、県や被災した自治体の対応については「行政側も大変だと思うが、過去にはボランティアの活動拠点を作った被災地もある。平時から行政がボランティアの受け入れを考えることが必要だと思う」と話していました。
その上で、過去に支援した災害と比べても珠洲市では倒壊した建物が多く、高齢の住民も多いため、ボランティアの需要は高いと指摘し、「特に高齢の方の住宅では若いボランティアの力が必要になる。家の中の片づけや崩れた瓦やブロック塀の撤去など、一般のボランティアにできる作業はたくさんあるので、環境が整えばぜひ来てほしい」と話していました。