大きな被害を受けた輪島市　災害ボランティア活動始まる

能登半島地震で大きな被害を受けた石川県輪島市で、１０日から地震によってでた廃棄物の片づけなどにあたる災害ボランティアの活動が始まりました。

輪島市は、能登半島地震で、大規模な停電や断水が発生したほか、道路が寸断するなどしたため、これまで災害ボランティアの受け入れをしていませんでした。
地震の発生から１か月以上がたち、金沢市につながる道路の復旧が進んだことや災害廃棄物の回収が始まったことを踏まえて、１０日から受け入れを始めました。
午前１１時前、県の特設サイトを通じて応募したボランティア約４０人が乗ったバスが輪島市内の商業施設の駐車場に到着しました。
駐車場では、出迎えた輪島市の坂口茂市長から「被災した市民にとって皆さんの活動が復旧や復興に向けた一歩になります」などと呼びかけました。
続いて、市の社会福祉協議会の職員から地震が起きたら作業を中断することや、少しでも何かあった場合は必ず担当者に相談することなど活動する際の注意点について説明を受けると、さっそくバスやワゴン車に乗り込んで被災した住宅や旅館などに向かっていきました。
このうち、鍼灸院を営む７０代の男性の家では、ボランティアの人たちが、割れたグラスや壊れた照明器具などを分別して袋に入れて、廃棄物の回収場所まで運んでいました。
また、市の中心部にある旅館では、雨漏りで使えなくなった畳や割れた食器などを次々と外に運び出していました。
旅館を経営する６０代の男性は、「災害ボランティアが来てくれるのを待ち望んでいました。片づけが進めば前を向くことができます」と話していました。
石川県白山市から災害ボランティアに参加した５０代の男性は、「能登が好きで、何かできないかと思って来ました。今後も継続していきたいです」と話していました。