地震発生時 住民が避難した穴水町の高校で自動販売機壊される

能登半島地震で住民が避難した石川県穴水町の高校で、地震があった日の夜、自動販売機が壊されていたことが分かりました。
設置したメーカーには「避難者に配ろうと思い壊してしまった」と謝罪があったということですが、緊急時でも壊すようなことはせず管理者に連絡してほしいと呼びかけています。

地震が起きた日、石川県穴水町の穴水高校には、住民などが避難していましたが、避難所には指定されていないため食料や水の備蓄はありませんでした。
飲み物の自動販売機はありましたが、学校によりますと、翌日になって「壊されている」という連絡があったということです。
壊されたのは3台で、このうち1台は前の部分が激しく壊れていて、飲み物も取り出されています。
この高校に避難していた男性は、NHKの取材に対し「突然、大きい音がしたので見に行くと自動販売機の前に3、4人いて工具を使って壊しているように見えた。『緊急時なので開けている』と言っていた」と話していて、その後、知らない人から飲み物を受け取ったということです。
一方、設置した大手飲料メーカーによりますと22日に「避難している人に配ろうと思い自動販売機を壊してしまった。反省している」という謝罪の連絡があったということです。
このメーカーによりますと、設置していた自動販売機は「災害支援型」と呼ばれるタイプのもので、通電していれば、管理者やメーカーの担当者が専用の鍵を使って操作することで飲み物を無料で取り出せるようになるということです。
ただ、穴水町では、地震のあと全域で停電となり、当日は元日で鍵を管理している教職員がいなかったため、災害支援のための機能が使えなかったと見られるということです。
メーカーでは、停電時でも作動する自動販売機の展開を始めているということで、今後、増やしていくことも検討しているということです。
設置した北陸コカ・コーラボトリングの今田栄美子広報PR課長は「自動販売機を壊せば、本人だけでなく、回りの人もけがをするおそれがあります。連絡先を必ず記載しているので、開けられなくてもまずは連絡してほしい」と呼びかけています。