断水続く七尾市で銭湯が営業再開 被災した人たちの憩い場に

市内のほぼ全域で断水が続く石川県七尾市では、市の中心部にある銭湯が、井戸水を利用して営業を再開し、被災した人たちが入浴や知人との交流を楽しむ憩いの場になっています。

七尾市では、18日の午後2時時点で、市内のほぼ全域となる約1万8000戸が断水となっていて、飲食店など多くの店舗が休業しています。
こうしたなか、七尾市木町にある銭湯「たから湯」では、敷地内でくみ上げる井戸水を利用して、1月14日から営業を再開しました。
地震の前は、井戸水に加えて水道水を利用していましたが、一日も早い再開を望む声を受け、被害のあった設備の一部を補修し、井戸水だけでの営業を決めたということです。
18日は、午後1時の営業開始前から被災した多くの人たちが店の待合室に集まり、予定より20分早く営業を始めました。
中には、14日の再開後、連日訪れる人もいるということで、入浴だけでなく、知人との交流を楽しむ憩いの場にもなっています。
店を訪れた近くに住む72歳の男性は「生き返った気持ちがする。営業を再開してくれて感謝の気持ちしかないです」と話していました。
店主の仲村克己さん(75)は「お客さんが風呂から上がると、『よかった』と言ってくれるし、生き生きとした顔を見られてうれしい。まだ余震があるので、気をつけて営業したい」と話していました。