輪島市の高齢者施設 厳しい状況が続く

地震で甚大な被害が出た石川県輪島市の高齢者施設では職員のほとんどが被災している上、断水や物資の不足が解消されず、厳しい状況が続いています。

輪島市気勝平町にある介護老人保健施設「百寿苑」では、約100人の高齢者が入所していますが、入所者が暮らす2階部分が地震で壊れたため、ふだんはデイケアで使用している1階部分に入所者をうつしました。
しかし、エレベーダーも壊れたため、ベッドは2階から運べず、入所者は床にマットレスを敷いて寝起きする生活が続いています。
1階部分はスペースも狭いうえ、マットレスの数も足りず、入所者は3人で2つを分け合い身を寄せ合って生活しています。
また、100人ほどいる職員もほどんどが被災し避難所から通う人や施設で寝泊まりする人も多く職員の疲労もたまってきているということです。
この高齢者施設は、災害時に高齢者などの特に配慮が必要な人を受け入れる「福祉避難所」に指定されていますが、断水が続いているほか被災して施設に来ることができない職員もいるため、近隣からの避難者の受け入れは断らざるを得ない状況だと言います。
船本貴宏副施設長は「断水が続き入所者の感染症などが心配な状況が続いている。支援物資は少しずつ増えているが、職員の多くが被災して仕事に来られない人もいて、自分たちだけでも精一杯だ」と話していました。