全国学力テスト実態調査 58校の教員が事前対策あったと回答

石川県教職員組合は、ことしの全国学力テストについて実態調査を行ったところ、県内の小学校と中学校のあわせて58校の教員から授業中などに事前対策をしたとの回答があったと発表しました。
一方、県の教育委員会は「今回も行き過ぎた事前対策は行われていないと考えている」としています。

石川県教職員組合は、ことし4月に行われた全国学力テストについて、県内の小中学校の教員を対象に実態調査を行い、結果を発表しました。
あわせて158校の教員から回答があり、このうち36%にあたる58校の教員が「朝学習の時間や授業中などに事前対策をした」と答えたということです。
また自由記述には、管理職からの指示はなかったが、担当の学年の教員が対策を行っていたとか、平均点を保つか上回らないと指導が入るなど、過去問に取り組まざるを得ない状況があるといった声が寄せられたとしています。
全国学力テストをめぐっては、文部科学省が、行き過ぎた対策をしないよう教育現場での適切な取り扱いを求めています。
組合の去年の調査では、72校の教員が「事前対策を指示された」と回答していて、県教育委員会は不適切な事前対策をしないよう改めて通知を出していました。
今回の結果について県教職員組合は、教育委員会の通知に一定の効果はあったとしたうえで「依然として事前対策をする学校があるという結果は深刻で問題の根深さを感じる。引き続き教育委員会に対し、本来の趣旨に沿った運用を求めたい」としています。
一方、県教育委員会は、県教職員組合の調査結果については把握していないとしたうえで、「過度な対策に関する情報は寄せられておらず、今回も、正答率の上昇のみを目的とするような行き過ぎた事前対策は行われていないと考えている」としています。