小松市の下水調査 新型コロナウイルス量が先週の1.5倍に

新型コロナウイルスの感染傾向を把握するために小松市が行っている下水のモニタリング調査の結果、ウイルスの量は先週の1.5倍に増え、2年前に調査を始めてから最も多くなりました。
調査にあたっている専門家は現在の「定点把握」では感染者数の増加を捉えきれていない可能性があるとしています。

新型コロナウイルスの感染者からは症状の有無にかかわらずウイルスが排出されるため、小松市は、感染傾向を把握するために金沢大学などとともに2年前から下水に含まれるウイルスの量をモニタリングしています。
8日に発表された今週の調査結果によりますと、1リットルあたりのウイルスの遺伝子数はおよそ161万と先週の1.49倍に増え、これまでで最も多くなりました。
これは「第8波」に入っていた去年の年末の調査結果と比べると5倍ほどの量にのぼっています。
調査を行っている金沢大学の本多了教授は増加の要因の1つとして、変異株によって患者1人から排出されるウイルスの量が増えている可能性があるとした上で、「かなり急激に感染者が増えていることも考えられる」と話しています。
また、こうした状況は新型コロナが「5類」に移行した後に行われている「定点把握」の調査では捉えきれていない可能性があるとしています。
小松市は夏休み明けのこの時期に下水中のウイルス量が急増していることから、場面に応じたマスクの着用など感染対策を呼びかけています。