2学期早々の学年閉鎖や学級閉鎖

県内の小学校と高校、あわせて4校で今シーズン初めてインフルエンザとみられる集団かぜが発生し、5日までに学年閉鎖や学級閉鎖の措置が取られました。
この時期に集団かぜが発生するのはコロナ禍が始まる前の2019年度以来で、県は改めて感染症対策の徹底を呼びかけています。

県健康推進課によりますと、学年閉鎖になったのは、小松市立月津小学校の3年生の1クラス、金沢高校の2年生の12クラス、県立金沢西高校の1年生の9クラスです。
また、学級閉鎖になったのは白山市立松任小学校の2年生の1クラスです。
このうち県立金沢西高校では、1年生360人のうち96人が38度以上の発熱やのどの痛みなどインフルエンザとみられる症状を訴え、欠席したということです。
県内では新型コロナの感染対策が進んだことで、2020年度と2021年度は集団かぜが発生せず、昨年度は年明けの1月になりました。
この時期に集団かぜが発生するのはコロナ禍が始まる前の2019年度以来で、県は、感染症対策が以前の水準に戻りつつあるとみて、手洗いや部屋の換気などの対策を改めて呼びかけています。

《新型コロナ 1医療機関あたり25.54人》
新型コロナウイルスの感染状況についてです。
県内の1医療機関あたりの患者数は、前の週から少し増加し、25.54人になりました。
石川県によりますと、8月28日から9月3日までの1週間に、県が指定する48の医療機関から報告があった新型コロナの患者数は、前の週より3人多い1226人でした。
1医療機関あたりの患者数は、25.54人と先週から0.06人増え、引き続き、第8波に入った去年の秋と同じ水準になっています。
入院患者の数は197人と先週より43人減り、病床使用率は49%となりました。
県は、人と接する機会が多かった夏休みを経て、今後、感染が拡大していくおそれがあるとして、改めて高齢者と会ったり、大人数で集まったりする時は感染防止を心がけるほか、手洗いや消毒、部屋の換気など基本的な感染症対策をとるよう呼びかけています。

《小松市 下水に含まれる新型コロナウイルス過去最多》
小松市は家庭などから出る下水に新型コロナウイルスがどの程度、含まれているか2年前から調査を行っています。
小松市によりますと、9月はじめの調査でこれまでで最も多い量のウイルスが確認されたということです。
小松市は金沢大学などと協力し、新型コロナの感染の広がりをつかもうと、浄水施設の下水に含まれるウイルスの量を調べ、毎週1度、結果を発表しています。
それによりますと、9月1日時点で1リットルあたりおよそ108万の新型コロナウイルスの遺伝子が確認され、1週間前の4.3倍となり、調査を始めたおととし10月以降で、最も多くなりました。
これは、新型コロナの5類移行前で最も多くの遺伝子が検出された去年12月26日と比べても3倍以上の量となっています。
小松市はこれまでも下水の中のウイルスが増加した際は、感染の拡大傾向がみられたということで、場面に応じたマスクの着用や手洗い、それに換気など感染対策を呼びかけています。

《医療機関の現場では・・》
県内の学校でインフルエンザや新型コロナウイルスの感染が広がっているなか、小児科の診療所でも発熱などの症状による受診が増加しています。
県内の学校では9月に入って、新型コロナやインフルエンザの感染が広がっていて、県教育委員会によりますと、6日午後2時時点で、県立高校43校のうち5校で学級閉鎖や学年閉鎖の措置が取られています。
こうしたなか、白山市の小児科の診療所でも発熱やのどの痛みを訴える患者が増えていて、多い日では、1日に10人の新型コロナ患者が確認されたほかインフルエンザの患者も増えているということです。
新型コロナとインフルエンザは、発熱やのどの痛みなど症状が似ていて診断が難しいことから、この診療所では「周囲に新型コロナの感染者がいないか」などを患者から聞き取ったうえで新型コロナかインフルエンザのどちらの検査を行うか判断したり両方の検査ができるキットを使用したりしているということです。
斉藤小児科医院の斉藤建二院長は「症状の見分けがつきにくいので対応が大変です。体調が悪い時は人が多く集まる場所に行かないように行動してほしい」と話していました。