大雨から1年「白山白川郷ホワイトロード」周辺の温泉旅館は今

去年8月の記録的な大雨では、観光道路の「白山白川郷ホワイトロード」も大きな被害を受け、長期間にわたって通行止めとなりました。
ことし春に通行止めはなくなりましたが、道路の周辺にある旅館では、いまも影響が続いていました。
【VTR】。
1年前の8月4日、記録的な大雨は白山市にも被害をもたらしました。
白山市と岐阜県白川村を結ぶ観光道路「白山白川郷ホワイトロード」。
複数の箇所で土砂崩れが起き道路が崩壊、大規模な復旧工事が必要になりました。
通行できるようになったのは、およそ8か月がたったことし4月、ホワイトロードに近い中宮温泉で旅館を経営する永田泰山さんは、通行の再開にあわせて営業を再開しました。
宿泊のほか、日帰り温泉やランチなどのサービスを提供しています。
しかし、以前と同じ形で営業することができていません。
長期間の休業で収入が途絶えたため、従業員が辞めてしまったのです。
永田泰山さん「売り上げの見込みがゼロですから。8月4日から。そうなると人を引き留めるということはできないですよ」。
残ったのは、永田さんを含めて2人。
夏休みのあとは、例年、客が最も増える紅葉シーズンに入りますが、増員はしないことを決めました。
災害で再び営業できなくなるリスクを考えて、できるだけ小規模な経営にシフトしたといいます。
永田泰山さん「秋の台風シーズンはどうなるかわからないし、最近、線状降水帯が良く言われるが、あっというまに増水する。何が起こるかわからない前提で進めないと物事が立ちゆかなくなる」。
ピーク時には6部屋ある客室が満室になっていたというこの旅館。体制を縮小したため、客の受け入れを半分程度に抑えています。利用客は減りますが、永田さんは、出来る範囲で1人ひとりを丁寧にもてなしたいと考えています。
永田泰山さん「当然売り上げは減るし、コストは物価高で上がるし、利益は減るんですけど来ていただいたお客さんの満足度につなげるようにする。それによってリピーターになっていただく。そういう仕組みになれば長期的に見れば安定的に利用していただける」。