記録的大雨 県内各地の被害は

《大雨で農業にも影響 ハウスに水が流れ込む被害 かほく市》
12日からの大雨で、農業にも影響が出ています。
かほく市の箕打地区にある村松稔さん(64)の農業用ハウスには、12日夜、近くを流れる大海川からあふれた水が流れ込みました。

葉ぼたんを育てるための準備をしていましたが、泥に覆われてしまい、予定が立たなくなったということです。
また、納屋にも水が流れ込み、農業用の機械や貯蔵していたコメが水につかったということです。
村松さんは、13日朝から家族総出で片づけ作業に追われていました。
村松さんは「気がついた時には20センチほどの水がきていました。きのうはここまで被害があるとは予想できませんでした」と話していました。

《能瀬川周辺の住宅に浸水被害 津幡町》
津幡町の山あいにある中山地区では、能瀬川の水があふれ、周辺の住宅に浸水の被害が出ました。
玄関や居間に水や泥が流れ込み、住民たちは、家具や畳を外に運び出すなど片付け作業に追われていました。
浸水した住宅に住む70代の女性は「雨が強まったと思ったらすぐに水かさが上がったので急いで2階に逃げました。とにかく怖かったです」と話していました。
また、近くの上矢田地区でも能瀬川があふれた影響で浸水の被害があり、住民たちが車庫や農業用の倉庫に残った泥をかき出していました。
車庫を片づけていた60代の男性は「床下まで水が来たのは初めてで、危機感を感じました。田んぼも水につかってしまったのでこれからが大変です」と話していました。
能瀬川沿いでは、橋の欄干や道路に流されてきた草や木が散乱しているほか、道路の一部が崩れているところも見られました。

《道路や橋に被害 かほく市》
県かほく市の箕打地区では、大雨の影響で道路や橋に被害が出ました。
このうち地区を通る市の道路は、2メートルから3メートル四方にわたって崩れていました。
現場のそばを大海川が流れていて、市は、川の増水で周辺が削られたことが原因ではないかとしています。
一方、近くにある橋には、流れてきた木や草が散乱し、両脇にある柵は壊れていました。
市は、被害が出た道路や橋の通行を禁止にして近づかないよう呼びかけています。
箕打地区の区長を務める田中英明さん(70)は「けさ4時ごろ見てみると道路が崩れていてびっくりしました。川の流れる音がいつもと違って激しかったです。橋の向こう側には田んぼもあるので早く復旧してほしいです」と話していました。

《大雨による県内各地の被害》
県によりますと、13日午後3時現在で、県内では津幡町とかほく市の計70棟の住宅に大雨による被害が確認されたということです。
一部破損が7棟、床上浸水が8棟、床下浸水が55棟となっています。
これまでにけがをした人などの情報は入っていないということです。
また、津幡町にある2つの高齢者施設で床上浸水の被害があったほか、町内の別の高齢者施設では訪問介護用の車が水につかったということです。
一方、津幡町では、221世帯で断水しています。
かほく市では一時、116世帯で断水しましたが、すべて解消しています。

《県道に土砂 のり面が崩れる被害相次ぐ》
12日からの大雨で、石川県では道路脇ののり面が崩れる被害が相次いでいます。
このうち津幡町庄の県道では、崩れた土砂が道路を覆っていました。
土砂は、道路沿いにある2階建ての住宅の1階部分にも流れ込んでいました。
近所の人の話によりますと、この住宅は空き家だということで、けがをした人などはいませんでした。