13日午後〜14日昼前にかけ大雨 土砂災害や浸水に警戒を

記録的な大雨になった12日夜から一転して、13日の県内は雨は小康状態になっています。
ただ、午後からは再び雨が降りだし14日の昼前にかけて大雨となるところがある見通しで、気象台は、引き続き土砂災害や低い土地の浸水、河川の増水や氾濫に警戒するよう呼びかけています。

県内は、大気の非常に不安定な状態が続いていて、昨夜は、加賀地方に発達した積乱雲が次々と連なる「線状降水帯」が発生しました。
12日午後11時までの1時間には、県が津幡町に設置した雨量計で83ミリの猛烈な雨を観測しました。
また、午前11時までの24時間に降った雨の量はかほく市で206.5ミリと統計を取り始めた昭和51年以降で7月としては最も多くなったほか、白山市白峰で126ミリ、加賀市中津原で116.5ミリ、宝達志水町で108.5ミリと100ミリを超えているところがあります。
気象台によりますと、大気の非常に不安定な状態はこのあとも続き、午後からは再び雨が降りだし、14日の昼前にかけて大雨となるところがある見通しです。
14日正午までの24時間に降る雨の量は、いずれも多いところで、加賀地方で100ミリ、能登地方で80ミリと予想されています。
気象台は、14日にかけて引き続き土砂災害や低い土地の浸水、河川の増水や氾濫に警戒するよう呼びかけています。

《津幡町 住宅浸水被害相次ぐ 約150戸断水》
津幡町では、12日からの大雨で住宅の浸水被害が相次ぎ、住民たちが片づけ作業に追われています。
このうち70代の女性が暮らす住宅は、床上まで水につかったということで、廊下の壁には、10センチほどの高さに泥水の痕が残っていました。
居間にも水が流れ込んだということで、女性は「60年以上ここで暮らしていますがこんなことになるのは初めてで怖いです」と話していました。
また、別の70代の女性の自宅も床下まで浸水したということです。
女性は「昨夜11時ごろにはバケツをひっくり返したような雨が降ってきて、短い時間で車のタイヤのあたりまで水かさが増していきました」と話していました。
津幡町によりますと、大雨による落雷や停電の影響で上下水道を供給する設備に不具合が出ていて、13日午前10時の時点で9地区約150戸が断水しているということです。
断水しているのは、津幡町の種、上矢田、下矢田、中山、小熊、大熊、平野、池ヶ原、八ノ谷です。
町では、それぞれの地区で給水袋を配っているということです。

《JR七尾線でも被害 13日は全線で終日運転を取り止め》
津幡町を通るJR七尾線は、本津幡駅と中津幡駅の間の一部でレールの下の砂利がえぐられらていたほか、流されてきたとみられる丸太が線路をふさいでいました。
一方、IRいしかわ鉄道の津幡駅では、大雨でポイント切り替えの装置が水につかり故障したということで、修理作業が行われていました。
駅には、運行できなくなった貨物列車が止まっていました。
JR七尾線とIRいしかわ鉄道は、13日は全線で終日運転を取り止めるとしています。

《内灘町西荒屋地区 道路冠水続く》
内灘町の西荒屋地区では町道の冠水が続いています。
河北潟に排水しきれていないことが原因とみられるということで、町は数百メートルの区間を通行止めにしています。
道路の近くに住む東朋宏さん(52)の住宅にはたまった水が床下まで流れ込みました。
水が引かないため片付け作業を始められないということで、東さんは「水がたまっているので自宅に戻れず、身動きが取れなくて困っています。これほどの高さまで冠水したのは初めてです」と話していました。
また近くで葬儀会社を経営する南守雄さん(82)は、道路の冠水で出勤できなくなりました。
南さんは「事務所の様子が気になりますが水が引くまで何もできません。おそらく水に浸かっていると思います」と話していました。