「日銀短観関連」観光業で需要回復の一方で人手不足も課題に

観光客が増えるなか、金沢市のホテルでは必要な人手が確保できない状況が続いています。

観光客に人気のある金沢市の近江町市場に近いホテルには、外国人も含めて大勢の利用客が訪れています。
およそ200室ある部屋が満室になることもあるなど、利用客数はコロナ禍前に近い水準まで回復していますが、ホテルは人手不足に頭を悩ませています。
新型コロナの影響で、去年まで2年連続で新規採用を見送り、この間に退職した人もいたためコロナ禍前に100人ほどいたスタッフは、およそ80人に減っています。
人繰りがつかず、ホテル内のバーや懐石料理店の営業は団体の予約があった場合に限っています。
宿泊に加えて飲食の面でも利益をあげたいところですが、いまの状況では難しいといいます。
ホテルは、給与水準をコロナ禍前より2割ほど上げて求人を出しているということです。
金沢ニューグランドホテルの中田鉄夫マーケティング部長は「体制が整わず苦しい状況です。求人の応募はあるのですがまだまだ足りていません。人手不足の問題はどこのホテルも一緒なので、競争も厳しく感じます」と話していました。

仕事を求める人ひとりに対して何人の求人があるかを示す有効求人倍率は、石川県では1.5倍から1.6倍ほどで推移しています。
一方で、宿泊業など「サービス業」で見ると、ことし5月は3.88倍と大幅に高くなっていて、人材をめぐる競争が激しくなっています。