15日夜北朝鮮ミサイル発射 漁業者関係者から不安の声

15日夜、北朝鮮が発射した弾道ミサイルが能登半島から約250キロの海域に落下したとみられることについて、石川県の漁業関係者からは不安の声が上がっています。

国内有数のスルメイカの水揚げを誇る石川県能登町の小木港では、80人あまりの漁業者が、10隻の船で、毎年6月から翌年の1月にかけて、日本海の沖合で漁を行っています。
このうち6月から7月にかけては、能登半島の北200キロから330キロの「大和堆」と呼ばれる海域で操業することが多いということですが、ミサイルが発射された当時、石川県漁業協同組合所属のイカ釣り漁船10隻は、イカの群れを追いかけて長崎県対馬の北東沖などで操業していて、安全が確認できたということです。
石川県漁協小木支所の白坂武雄総務課長は「今回はたまたま大丈夫だったが例年、この時期はミサイルが落下した大和堆付近で漁を行うことが多く、大変なことになっていたかもしれない。漁業者が解決できる問題ではないので、国にしっかりと対応してもらいたい」と話していました。
また、石川県水産課によりますと、ミサイルが発射された当時、「大和堆」には、スルメイカの分布について調査するため、県の漁業調査指導船「白山丸」がいたということですが、ミサイルの落下した場所からは130キロ離れていたということで、県は、無線を通じてこの船の安全を確認したということです。

防衛省は、北朝鮮から15日夜、弾道ミサイルが発射され、日本のEEZ=排他的経済水域の内側の日本海に落下したとみられると発表しました。
近くの海域でベニズワイガニ漁をしていた鳥取県の漁船の責任者は、日本海かにかご漁業協会に対し、「14、5マイル離れていた場所で、花火のような大きな音がした」と話し、約26キロから28キロ先に着弾したのではないかと説明したということです。
鳥取県境港市に事務所がある日本海かにかご漁業協会の古木均専務理事は、北朝鮮のミサイル発射後に関係機関から着弾地点などの連絡が入り、15日夜8時前に、近く海域で操業していた境港市の船会社が所有する漁船に船舶電話で連絡をとりました。
日本海の漁場、大和堆でベニズワイガニ漁をしていた漁船の責任者は「花火のような大きな音がした。ミサイルだろうか。船は異常なく操業している。14、5マイル離れていた」と話し、船員の感覚で、約26キロから28キロ先に着弾したのではないかと説明したということです。
その上で古木専務理事は「びっくりした。今月いっぱいが漁期だが、安全な操業を侵されることに対して本当に不安と怒りを感じる。国や県に断固とした措置をとってもらいたい」と話していました。
漁船は、操業を続け、6月19日の未明に、境港に帰港する予定だということです。