IRいしかわ鉄道 昨年度黒字も「依然として厳しい状況」

IRいしかわ鉄道の昨年度の決算は、利用者の増加を受けて最終的な損益が黒字となりました。ただ会社は、通勤の利用が回復していないことなどから「依然として厳しい状況だ」としています。

IRいしかわ鉄道の昨年度・令和4年度の決算は、最終的な損益が8700万円の黒字となりました。
昨年度1年間の利用者が前の年度から8.6%、増加したことが主な要因です。
一方でリモートワークの定着もあり通勤の利用が回復していないことなどから、IRいしかわは「依然として厳しい状況だ」としています。
IRいしかわをめぐっては、北陸新幹線の敦賀までの延伸に伴い、来年春に金沢駅から福井との県境までの並行在来線の経営を引き継ぐことになっています。
この区間は利用者の減少が進んでいることなどから、今後、経営環境は厳しさを増すことが予想されています。
IRいしかわは「『アフターコロナ時代』に適応した利用者ニーズの把握に努めると同時に、延伸後の経営安定化に資する各種施策に積極的に取り組みたい」としています。
一方、IRいしかわは、無人駅の削減やホーム中央への点字ブロックの設置など、視覚障害者の団体が安心して駅を利用するためとして要望していた対応について、当面は見送ることを決めました。
IRいしかわは「経営環境は厳しく、ご理解いただきたい」としたうえで、「介助が必要な人の移動を手伝うなど、さまざまな事情の利用者に配慮できるよう努めている」としています。