金沢市が障害者が利用しやすく景観調和の点字ブロック整備指針

目が不自由な人のための点字ブロックは、景観を重視したまちづくりが進む中で、歩道に近い色に塗装されている場所があります。
ただ、こうした点字ブロックが目の不自由な人にとって判別しにくいという課題があり、金沢市は、障害者が利用しやすく景観とも調和した点字ブロックの整備の指針をとりまとめました。

街なかにある点字ブロックは、一般的には濃い黄色がよく知られていますが、景観を重視するまちづくりが進む地域ではグレーなど歩道に近い色に塗装されている場所もあります。
利用する視覚障害者にとって、こうした点字ブロックが判別しにくいという指摘が以前からあり、金沢市は弱視の人たちと共同で、点字ブロックの今後の整備のあり方などについて検討を進め、今回、指針をとりまとめました。
検討の過程では、実際に歩道にさまざまな色合いの点字ブロックを並べ、弱視の人たちからの「見えやすさ」を確かめました。
すると、一般的な濃い黄色ではなく「アイボリーイエロー」などやや薄い黄色の方が、むしろ判別しやすく、金沢の景観にもより調和しやすいことがわかったということです。
点字ブロックの色で、利用者に配慮するとともに、金沢駅周辺など開発が進むエリアでは赤っぽい歩道を、伝統的な建物が残るエリアでは茶色やベージュ系の歩道を整備することで、より調和のとれた色合いになるとしています。
金沢市景観政策課の石浦裕治課長は「まちづくりでは景観と機能面のどちらも重要で、今後も意見を集めながら、だれでも過ごしやすいまちを作っていきたい」と話していました。