寒波影響 県内5市町で1万戸余で断水続く 空き家の漏水確認
記録的な寒波の影響で石川県では水道管の凍結や破裂が相次ぎ、28日夕方の時点でも5つの市と町の1万戸あまりで断水が続いています。
各自治体では担当者が家庭や空き家をまわって漏水か所をふさぐなどの作業を進めていますが、漏水の件数が多いことなどから、全面復旧の見通しは、立っていないということです。
記録的な寒波の影響で石川県では水道管の凍結や破裂による漏水が相次ぎ、26日以降、各地で断水しています。
各自治体に取材したところ、28日午後5時の時点でかほく市、輪島市、七尾市、羽咋市、それに宝達志水町のあわせて5つの市と町の1万戸あまりで引き続き、断水しています。
各自治体では担当者が家庭や空き家をまわって漏水か所をふさぐなどの作業を進めていますが、全体の状況を把握するのにも時間がかかることや、漏水の件数が多いことから、全面復旧の見通しは、立っていないということです。
一方、約3400戸で断水が続く輪島市では、石川県からの災害派遣の要請を受けた自衛隊が給水を行っています。
<参考情報>。
かほく市…約5400戸。
輪島市…3391戸。
七尾市…988戸。
羽咋市…843戸。
宝達志水町…220戸。
計1万842戸。
《自衛隊が輪島市で給水活動》
断水が続く輪島市では、県からの要請を受けた自衛隊が市内で給水活動を行っています。
輪島市では給水活動にあたる人員などが不足しているとして、県は27日夜、自衛隊に対して災害派遣を要請しました。
陸上自衛隊金沢駐屯地の約10人の隊員が輪島市に入り、このうち三井出張所には、1トンの水の入った給水車が午前10時前に到着しました。
そして、隊員2人が市民が持参したポリタンクや給水袋を受け取って対応していました。
母親と訪れた中学2年生(14)は「特にトイレや風呂の水に困っています。自衛隊の人が来てくれて助かります。早く復旧してほしいです」と話していました。
自衛隊では市内にある老人ホームなど3つの施設では備え付けられた貯水槽への給水も行っています。
《かほく市で空き家の漏水を止める作業》
5000世帯以上で断水が続いている石川県かほく市では、断水の原因になっている空き家で発生した漏水を止めるため、職員などが1軒ずつ回って水道の元栓を止める作業にあたっています。
かほく市では水道管が破裂するなどして漏水が相次いでいて、上水道の水を一時的に蓄えておく「配水池」の水がめが空になり、26日の夜から5000世帯以上が断水しています。
28日は、職員と業者計50人が2人1組になり、断水が発生している地域を回って、漏水が起きている空き家の元栓を閉める作業にあたっています。
職員たちは空き家を見つけると、水道メーター近くに20センチ以上積もった雪をスコップで掘り返し、水道管の元栓を閉めていきました。
かほく市によりますと、市内には人が住んでいない空き家などが約1500軒あり、漏水か所の発見が遅れて、復旧が進んでいないということです。
かほく市は28日中に断水が発生している地域のすべての空き家をまわる予定だということです。
作業にあたったかほく市スポーツ文化課の山田義幸課長は、「空き家は除雪されておらず元栓を見つけるのが大変ですが、職員総出で作業にあたり、少しでも早く断水を解消して、ふだんの生活に戻れるよう取り組みたい」と話していました。
《かほく市で空き家の漏水の有無の確認進める》
かほく市では、委託を受けている水道メーターの検針員も、市内の空き家とみられる建物で漏水が発生していないか、確認を進めていました。
かほく市七窪では28日、水道メーターの検針員が、最近の使用履歴がなかった空き家とみられる建物をリストアップし、現地の状況を確認したところ、このうち1軒で漏水の疑いが見つかりました。
検針員が水道メーターを確認すると、水が使われていることを示す部品が回っていたことから、漏水が発生しているとして、水道管の元栓を閉めていました。
検針員によりますと、この建物1軒だけで、90立方メートルの水が使われていたことがわかったということです。
周辺で確認を進めた水道検針会社の柏原徹長野営業所長は、「長野県などの寒冷地と比べ、石川県では水道管が地中の浅い場所に設置されていることが多く、凍結しやすい可能性がある。また、長期間、家を留守にする際に、水道管に残った水が凍結し破裂するのを防ぐため水を抜いておく『水抜き栓』が備えられていないことも、漏水が多くなった理由の1つと考えられる」と話していました。