鹿児島市の米盛病院を県が救命救急センターに指定へ

県は、緊急性が高く症状の重い患者を24時間体制で受け入れる「救命救急センター」に、鹿児島市の米盛病院を指定すると発表しました。
鹿児島県では、脳卒中や心筋梗塞など緊急性が高く症状の重い患者を24時間体制で受け入れる3次救急を行う医療機関について、鹿児島市立病院と鹿児島大学病院を「救命救急センター」に、県立大島病院を「地域救命救急センター」に指定しています。

塩田知事は19日の会見で、これらに加えて、新たに鹿児島市の米盛病院を「救命救急センター」に指定すると発表しました。

県は、米盛病院が患者を24時間体制で受け入れるための職員の配置や専用病床の数、それに集中治療室があることなど、国が定める要件を満たしているとして去年12月、県の医療審議会に諮問していました。

これを受けて、審議会は2回にわたって議論し、今月11日に「安易に指定すべきではない」と慎重な判断を求める答申を出していましたが、県は「国の要件を満たしている」として指定することにしました。

県によりますと、鹿児島県の人口100万人あたりの救命救急センターの数は1.9か所と、全国41位となっていて、今回の指定で他の県並みの体制に改善できるとしています。

塩田知事は「県民の救命救急の底上げを図るという観点から、国の要件を満たすことをもって指定することが、今後の救命救急の底上げ、医療の向上に貢献すると最終的に県として判断した」と話していました。

県によりますと、今後、指定に向けた手続きなどを進めるため、運用開始の時期はまだ決まっていないということです。


【医療審議会長「県全体俯瞰した議論 判断なく残念」】

県医師会の元会長で、県医療審議会の池田琢哉会長は「救命救急センターは最後のとりでであり、県民が平等に医療を受けられるよう、県全体を俯瞰したうえで適正に配置していくことが重要である。それに基づく議論、判断がなされなかったことは残念だ」とコメントしています。

【米盛病院「今まで以上に頼れる医療機関に」】

指定されることになった米盛病院は「各地域の医療機関や救急隊と密接な連携をとりながら、県内救急医療体制のさらなる充実に貢献すべく、日々まい進する。今まで以上に1次救急医療から3次救急医療までを対応する、県民・市民にとって身近に頼っていただける医療機関であり続ける」とコメントしています。