「桜島フェリー」5年ぶりに値上げ

鹿児島市の中心市街地と桜島を結ぶ「桜島フェリー」の運賃が、1日から5年ぶりに値上げされました。

鹿児島市船舶局によりますと、「桜島フェリー」は、桜島と大隅半島の人口減少や、東九州自動車道の延伸による利用客数の低下、それに燃料費の高騰なども重なり、平成27年度以降赤字が続いていて、令和4年度末の時点で、累積赤字は24億円あまりとなっています。

市船舶局は現在の料金を維持した場合、将来的な事業の継続が難しくなるとして、1日から桜島フェリーの運賃を値上げしました。

料金は片道で、中学生以上が200円から250円に、小学生以下は100円から130円になります。

また、自動車なども値上げされ、このうち、普通乗用車は1950円から2350円に、軽自動車やコンパクトカーは1400円から1700円になります。

市船舶局は、去年4月から、日中のフェリーの運航間隔を15分から20分とするダイヤ改正を行ったほか、所有していた船舶1隻を売却するなどしていましたが、抜本的な経営の改善にはつながらず、値上げを決めたということです。

運賃が値上げされたのは、令和元年以来、5年ぶりです。

鹿児島市船舶局は、「利用者の皆様にご負担をお願いすることとなり大変申し訳ございません。船舶事業を維持、存続していくための運賃改定であり、ご理解いただきたい」としています。

運賃の値上げについて、鹿児島港の桜島フェリーターミナルで利用客に聞きました。

鹿児島市在住の80代の男性は、「フェリーに乗って温泉に行こうと思います。最近は金額が上がることばっかりで下がることは全然ないですが、しかたがないと思います」と話していました。

鹿屋市在住の20代の男性は「最近いろいろ金額が上がってるので、びっくりしました。買い物や遊びに行くときに桜島フェリーを利用していますが、値上げはそこまで気にはならないです」と話していました。

神奈川在住で、肝付町に住む姉の通院に付き添うために帰省中だという50代の女性は、「値上げしないでほしいというのはやまやまですが、世の中がそういう流れになってきてますし、個人ではどうすることもできません。桜島と市街地側をつなぐ大切な交通機関なので、みんなが気軽に乗れる状態を維持してほしいと思います」と話していました。