警察官盗撮事件 県警は隠蔽否定するも 2日間捜査中止明かす

鹿児島県警察本部の元生活安全部長が起訴された情報漏えい事件で、鹿児島県警は21日の記者会見で元部長が主張する不祥事の隠蔽について改めて否定した一方、警察官による盗撮事件の捜査で、本部長の指示が警察署に誤って伝わり、2日間、捜査が中止されていたことを初めて明らかにしました。

鹿児島県警察本部生活安全部の元部長、本田尚志被告(60)は、個人情報を含む内部文書をライターに漏らしたとして国家公務員法の守秘義務違反の罪で、21日起訴され、鹿児島県警の記者会見では、野川明輝本部長が元部長が主張する不祥事の隠蔽を改めて否定しました。

一方、会見に続いて行われたカメラなしの記者説明の場で鹿児島県警は、元部長が「本部長が隠蔽を指示した」と主張している警察官による盗撮事件に関して、野川本部長の指示を所管する枕崎警察署の署長が誤解し、2日間、捜査が中止されていたと初めて明らかにしました。

野川本部長もこうした経緯を十分に把握していなかったということで、警察庁は、きめ細かな確認や指示をせず、捜査の基本に欠けていたなどとして、長官名で訓戒処分としました。

警察庁が今月24日から行う監察では本部長も聴取の対象になるということで、鹿児島県警の一連の不祥事の事実確認とともに、組織運営や職員間の意思疎通の問題などについても再発防止の観点から調査や分析が行われるとみられます。