馬毛島の自衛隊基地建設工事 差し止め求める裁判始まる

馬毛島で進む自衛隊基地の港湾施設の建設工事によって漁業権を侵害されたとして、地元の漁業者が国に工事の差し止めを求める裁判が始まりました。
一方、国側は訴えを退けるよう求めています。

西之表市の馬毛島では在日アメリカ軍の空母艦載機訓練の移転先などとして、去年1月から自衛隊基地の建設が始まり、島の東側の海域では港湾施設の工事が進められています。

これについて、西之表市の漁業者の1人が港湾施設の工事などによって周辺海域への立ち入りが制限され漁業権が侵害されたとして、国に工事の差し止めを求める訴えを起こしていました。

14日、鹿児島地方裁判所で開かれた初めての裁判で、原告の濱田純男さんは「『宝の島』である馬毛島の漁場や地域のつながりを奪われ、怒りや悲しみを感じる」と訴えました。

一方、国側は、地元の種子島漁協が22億円の漁業補償金を受け入れ、漁業権は放棄されていて、工事の差し止めに相当する違法性は確認されていないなどとして、訴えを退けるよう求めています。