座礁事故 タンカー付近の空気中から積載の化学成分確認

今月16日、十島村の口之島で韓国船籍のタンカーが座礁した事故で、第10管区海上保安本部によりますと、タンカーに積まれていた化学物質「シクロヘキサン」が、タンカー付近の空気中で確認されました。
海上保安本部は、巡視船を派遣してタンカーに近づかないよう周囲の船に呼びかけています。

今月16日、韓国船籍のケミカルタンカーが十島村の口之島から北西におよそ5キロの海上で座礁し航行できなくった事故で、現在もタンカーは自力で航行できず、現場に残されています。

第10管区海上保安本部によりますと、23日午前9時ごろ、タンカーを所有する会社が、タンカーの近くの空気を調べたところ、積載している化学物質「シクロヘキサン」とみられる成分を検出し、一部が漏れ出ている可能性が高いことがわかったということです。

「シクロヘキサン」は、ナイロン繊維などの原料となり、引火性が高く、吸い込んだ場合、めまいなどを起こす危険性があることから、海上保安本部は、現場海域に巡視船を派遣してタンカーに近づかないよう周囲の船に呼びかけています。

また、現在のところ、口之島など周囲の島への影響は確認されていないとしています。

引き続き、船を所有する会社が、化学物質が海にも流出していないか確認を進めています。

一方、タンカーの燃料の重油は、海への流出が続いているということです。