奄美大島の石材 米軍普天間基地移設工事に使用か 防衛省

防衛省が、奄美大島で採掘した石材を沖縄のアメリカ軍普天間基地の名護市辺野古への移設工事に使用することを検討していることが、政府関係者への取材でわかりました。
早ければ来年にも搬入を開始する方針です。

普天間基地の名護市辺野古への移設をめぐり、国はことし1月、軟弱地盤のある大浦湾側の区域で代執行に伴う工事に着手し、埋め立て予定地の周辺では海に石材を投入する作業などが続けられています。

防衛省はこれまで、工事で使う石材を沖縄本島北部から調達していましたが、今後、需要の増加が見込まれるため、新たな調達先として鹿児島県の奄美大島を検討していることが、政府関係者への取材でわかりました。

早ければ来年にも奄美大島で採掘した石材の沖縄への搬入を始める方針です。

一方、沖縄県では、埋め立て工事に使う石材や土砂から特定外来生物が侵入するのを防ぐため、付着や混入が認められれば使用中止を勧告できることなどを盛り込んだ条例が施行されています。

これに対し、防衛省は石材を洗浄するなどして対応するものとみられます。

移設工事をめぐっては、国は工事が完了しアメリカ軍に提供するまで12年程度かかると見込んでいて、これに対し沖縄県は、地盤改良の実現性を疑問視し工事を中止するよう求めています。

鹿児島県の塩田知事は、19日行われた記者会見で、国からの連絡は受けていないと説明したうえで、「地域の自然破壊にならないようにしながら、適切な手続きを踏んで行っていただく必要がある。受け入れについても条件があるわけだから、そうしたことは適切に行ってほしい」と述べました。