米軍統治下の奄美群島撮影 学術調査カラー写真展 鹿児島大学

戦後、アメリカ軍の統治下にあった奄美群島で、アメリカ人の研究者が学術調査で撮影した貴重なカラー写真などの展示会が、鹿児島大学で開かれています。

写真は、アメリカ軍の統治下にあった1951年から日本復帰の前の年の52年にかけて奄美大島に滞在していたアメリカ人の文化人類学者、ダグラス・ハリング氏などが撮影したものです。

会場の鹿児島大学には、着物姿の女の子や集落の五穀豊じょうを願う祭りの一場面など、当時の人々の暮らしぶりがうかがえるカラー写真あわせて122枚が展示されています。

このほか会場では、主要産業だった大島紬の染め織りや販売までのすべての工程が記録された貴重なカラー映像なども上映されています。

写真や映像は、鹿児島大学の客員研究員でイギリスのオックスフォード大学の講師、シャーロット・リントンさんらがアメリカの大学で発見し、奄美群島の日本復帰から70年となった去年12月から奄美各地で巡回展が行われてきましたが、多くの人に見てもらおうと、県本土では唯一、鹿児島大学で開催されています。

鹿児島大学国際島嶼教育研究センターの河合渓教授は「県本土の方にも奄美について理解していただきたいし、アメリカの占領下、人々が苦労しながらも、戦争が終わり明るい希望を持っていたことを写真を通じて感じ取ってほしい」と話していました。

この写真展は鹿児島大学附属図書館で今月22日まで開かれています。