トカラ列島で栽培の植物を材料に 昔ながらの柔道畳を復元

トカラ列島の十島村などで栽培されていた植物を使うなど、昔ながらの材料と製法で復元された柔道畳が、十島村に寄贈され、島に向かうフェリー乗り場に展示されています。

この柔道畳は鹿児島県畳工業組合が、稲わらを使った「畳床」に、十島村などで栽培されていた「シチトウイ」という植物の茎を材料にした「畳表」を縫い合わせた140年前の製法で去年、復元しました。

このたび十島村に寄贈され、鹿児島港にある島に向かうフェリー乗り場の待ち合い所に展示されています。

「シチトウイ」を使った柔道畳はイグサよりも丈夫なことから、柔道の創始者・嘉納治五郎にも認められていたということですが、現在は大分県の国東半島で数軒の農家しか栽培しておらず、組合のメンバーが当時の文献を調べたり、「シチトウイ」の畳表を取り寄せたりして、一針一針、手作業で仕上げたということです。

十島村の木戸浩教育長は「村原産のシチトウイがこういう形で活用されていることは大きなインパクトで、島の子どもたちの学習に活用していきたい」と話していました。

宝島出身の70代の女性は「優しい肌ざわりで100年も前の畳がよみがえって感謝の気持ちでいっぱいです」と話していました。

鹿児島県畳工業組合の安藤勝理事長は「発祥の地のみなさんに見ていただき、十島村の特産に発展してもらえたらうれしい。実際に触ったり座ったりして畳の良さを知ってほしい」と話していました。