奄美近海でザトウクジラ親子の群れの目撃数が過去最多に

毎年、冬から春にかけて奄美近海に回遊するザトウクジラについて、奄美クジラ・イルカ協会は、今シーズン、親子の群れの目撃数が過去最多になったと発表しました。

ザトウクジラは繁殖や子育てのため、毎年、冬から春にかけて、ロシアやアラスカから水温の高い奄美大島や沖縄などの近海に回遊しています。

奄美クジラ・イルカ協会によりますと、今シーズン、去年11月下旬から先月(3月)末までに目撃されたザトウクジラは1634頭で、昨シーズンよりも62頭少なくなりました。

一方、親子の群れの目撃数は300群で、昨シーズンよりも96群増え、過去最多となりました。

協会によりますと、ザトウクジラは奄美大島の島沿いを移動し、親子のクジラは奄美大島と加計呂麻島の間の大島海峡に多くとどまる傾向が見られたということです。

近年、奄美大島を訪れる観光客の間ではホエールウォッチングやクジラと一緒に泳ぐホエールスイムツアーが人気となっていますが、協会では、親子クジラを海中から観察する回数を制限するなど、クジラにストレスを与えすぎないようにしているということです。

奄美クジラ・イルカ協会の興克樹会長は「奄美の海が安心して子育てできる状況になっていると感じる。観光とのバランスを見ながらよりよい海の環境を目指したい」とコメントしています。