鹿児島県内の火山に関する情報(3/25)

鹿児島県内の火山に関する情報です。

【桜島】
桜島では今月22日から25日午後3時までに南岳山頂火口でごく小規模な噴火が時々発生しました。

夜間には、高温の火山ガスなどが雲や噴煙に映って赤く見える火映が確認されました。

一方、昭和火口では噴火は観測されませんでした。

火山性地震は少ない状態で経過し、火山性微動が観測されていません。

一方、姶良カルデラの地下深くではマグマが長期にわたって蓄積していて火山ガスの放出量もおおむね多い状態であることから、今後、噴火活動が再び活発化すると考えられます。

気象台は、噴火警戒レベル「3」の火口周辺警報を継続し、南岳山頂火口と昭和火口からおおむね2キロの範囲では、噴火に伴う大きな噴石や火砕流に警戒するよう呼びかけています。

【口永良部島】
口永良部島では、今月22日から25日午後3時までに新岳火口では白色の噴煙が最高で200メートルの高さまで上がりましたが、古岳火口では噴煙が確認されませんでした。

また、古岳火口付近の浅いところを震源とする火山性地震はやや多い状態で、新岳火口付近の浅いところを震源とする火山性地震は少ない状態です。

一方、衛星による観測で見られていた古岳付近の膨張を示すと考えられる変化は去年11月ごろから停滞しています。

気象台は、口永良部島では噴火のおそれがあるとして、噴火警戒レベル「3」の火口周辺警報を継続し、新岳火口と古岳火口からおおむね2キロの範囲では、噴火に伴う大きな噴石や火砕流に警戒するよう呼びかけています。

また向江浜地区から新岳の南西にかけての火口から海岸までの範囲では火砕流に警戒してください。

【諏訪之瀬島】
諏訪之瀬島の御岳火口では噴火活動が続いていて、今月18日から25日午後3時までの間に、爆発的な噴火が7回発生しました。

噴煙は最高で火口から1300メートルの高さまで上がったほか、大きな噴石は火口中心から最大で600メートルまで飛びました。

夜間には、高温の火山ガスなどが雲や噴煙に映って赤く見える火映が確認され、火山性微動は主に噴火にともなって発生しました。

一方、島の西側で発生しているとみられる火山性地震は少ない状態で経過していて、衛星を使った観測で、島の西側の深いところでマグマの蓄積量が増えていると考えられる変化は観測されていません。

ただ、諏訪之瀬島では長期にわたって噴火活動が続いていることから、気象台は噴火警戒レベル「2」の火口周辺警報を継続し、御岳火口の中心からおおむね1キロの範囲では、噴火に伴う大きな噴石に警戒するよう呼びかけています。

【薩摩硫黄島】
薩摩硫黄島では、今月18日から25日午後3時までの間に、白色の噴煙が最高で火口から600メートルの高さまで上がりました。

火山性地震は少ない状態で経過していて、火山性微動は観測されませんでした。

地殻変動の観測では火山活動によると考えられる特段の変化は確認されていません。

ただ、長期的には、夜間に火映が観測され、時折噴煙が高くなるなど、活動が高まった状態が続いています。

気象台は、火口周辺に影響を及ぼす程度の噴火のおそれがあるとして、噴火警戒レベル「2」の火口周辺警報を継続し、火口の中心からおおむね500メートルの範囲では大きな噴石に警戒するよう呼びかけています。