保育園の乳児死亡 姶良市の検証委が”再発防止”報告書を提出

去年、姶良市の保育園で、生後6か月の女の子がりんごを食べた後に死亡した事故で、市の検証委員会は再発防止策を盛り込んだ報告書をまとめ、22日市長に提出しました。

姶良市の「興教寺保育園」では、去年4月、生後6か月の女の子がおやつとして出されたりんごを食べたあと窒息状態になって意識不明の重体となり、40日後に亡くなりました。

事故を受けて医師や保育関係者など外部の有識者でつくる市の検証委員会は、当時の対応に問題がなかったか保育園の関係者に聞き取り調査などを行ってきましたが、22日その結果をまとめた報告書を湯元市長に提出しました。

報告書では「女の子が容体急変にいたる直前に摂取したりんごが窒息の原因となった可能性が高い」と指摘し、りんごの調理や提供の仕方保育園の職員間の情報共有に課題があったとしています。

その上で、再発防止に向けてりんごなどの固さや切り方によっては詰まりやすい果物は離乳食が終わる時期までは加熱して提供するとした、国のガイドラインを保育現場で遵守することや、保護者との連携を強化し情報を共有すること、それに事故の発生を想定した保育士などへの研修や訓練を行うことなどを提言しています。

記者会見した姶良市の湯元敏浩市長は「2度とこのような悲しい事故が起きないよう再発防止に努め、これまで以上に安心して子どもを預けてもらえるような環境づくりをしていきたい」と述べました。

今回の報告書について女の子の遺族は「報告書を本日受け取りましたが、娘はこの世にはもういません。再発防止のためのさまざまな提言をいただきましたが、事故が起こる前からこのような提言を実行していれば、娘は命を落とすことはなかったのではないかと思わざるをえません。今後は提言をいかして二度と同じような事故が起こらないでほしいです」とコメントしています。