離島防衛を想定 沖永良部島で初の日米共同訓練

離島の防衛を想定した陸上自衛隊とアメリカ海兵隊の共同訓練が10日から鹿児島県の沖永良部島で初めて行われています。

陸上自衛隊とアメリカ海兵隊の共同訓練「アイアン・フィスト」は、先月25日から九州・沖縄各地で行われています。

このうち、鹿児島県の沖永良部島では10日から訓練が始まり、知名町の運動場には午後2時前から日米のヘリコプター3機が次々と着陸しました。

そして、小銃などを手にした部隊が降り立ち、近くのキャンプ場に移動して戦闘訓練を行っていました。

南西防衛の強化が進む中、鹿児島県の奄美群島ではここ数年、民間の空港や港などを使った自衛隊とアメリカ軍との訓練が繰り返し行われていますが、沖永良部島で訓練が行われるのは初めてです。

訓練が行われた運動場などは、ふだんは地元の住民の憩いの場所で、横断幕を掲げて反対する人たちの姿も見られました。

このうち、70代の男性は「沖永良部は元々、自然豊かで心が穏やかな人が住む島だ。日米の軍事訓練がどうして奄美でばかり行われなければいけないのか疑問で、受け入れることはできない」と話していました。

沖永良部島での訓練は11日まで行われ、日米の偵察用ボートを使った着上陸訓練も行われる予定です。

今回の訓練で、8日、飛行停止の措置が解除されたアメリカ軍の輸送機オスプレイは使用しないとしていますが、鹿児島県の塩田知事は「オスプレイの事故を受けて県民の不安も大きい」として、住民の安心・安全の確保に万全の対策を講じるよう防衛省などに求めています。

地元・知名町の20代の男性は「これからも平和で安心に暮らして行ければいいが、万が一の際に備えて訓練は必要だと思う」と話していました。