高速船が生物と接触想定 10管本部と運航会社訓練 鹿児島湾

高速船が海の生物とみられるものと接触したことを想定した訓練が鹿児島湾で行われ、第10管区海上保安本部と運航会社がけが人の救助の手順などを確認しました。

この訓練は垂水港沖の鹿児島湾で行われ、海上保安本部と運航会社などからあわせておよそ100人が参加しました。

訓練は高速船「トッピー」が航行中に海の生物とみられるものと接触して航行できなくなり、複数の乗客がけがをしたという想定で行われました。

はじめに海上保安本部のボートが高速船のそばまで来て職員が高速船に乗り込みました。

そして、けがの程度などに応じて治療や搬送の優先順位を決める「トリアージ」を行い、重傷とみられるけが人役の参加者を高速船から巡視艇に運び出して救助する手順を確認していました。

国の運輸安全委員会の事故報告書によりますと、県内では2012年4月に高速船が佐多岬の沖合を航行中にクジラと衝突し、乗員2人が大けが、乗客など34人が軽いけがをしたということです。

第10管区海上保安本部救難課の徳永省吾課長は「高速船が出て実際の状況に近い形で訓練を行うことができた。参加した関係者から意見を聞いて、今後の活動に生かしたい」と話しています。