工業高校の教諭 国家試験の願書提出せず 生徒が受験できず

鹿児島県立鹿児島工業高校の教諭が、国家試験の願書の取り寄せや提出などをしていなかったため、生徒が受験できなくなったことが分かり、学校側は9日、説明会を開き、保護者に謝罪しました。

鹿児島工業高校によりますと、建設技術の学科に所属する2年生の生徒のうちの希望者がことし5月に行われる「測量士補」の国家試験を受ける予定でした。

願書は、担当する40代の男性教諭がまとめて出す予定でしたが、取り寄せをしておらず先月30日の期限までに提出しなかったため、生徒は、ことしの試験は受けられず、在学中の資格取得の機会が失われました。

今月4日、担当教諭が願書の受け付け期間を確認しようとした際に期限が過ぎていたことに気づいたということです。

測量士補は、土木工事などを行う際に距離などを測る測量を行うための資格で、年1回試験が行われていて、学校では例年、希望する生徒が受験していたということです。

学校側は9日、説明会を開き、保護者に経緯を説明して謝罪しました。

そのうえで、来年、受験を希望する生徒には卒業後も指導するなどしてサポートを行う方針を説明したということです。

出席した保護者の1人は「試験を目標に子どもたちも先生も学校側も頑張ってきたので、正直残念な気持ちはある。同じことが起こらないようにしてほしい」と話していました。

鹿児島工業高校の田中耕一郎校長は「このような事態を招いたことを学校の管理職として責任を感じており、本当に申し訳ない。組織的なチェック体制を強化するなどして、再発防止に向けた取り組みをしていきたい」と話しています。