奄美大島沖の北朝鮮工作船事件で対応 巡視船「あまみ」が引退

2001年に奄美大島の沖合で起きた北朝鮮の工作船事件で対応に当たり、工作船から100発以上の銃弾を受けた巡視船「あまみ」が老朽化で引退することになり、9日、長崎県佐世保市で解役式が開かれました。

巡視船「あまみ」は1992年、現在の奄美海上保安部に配属され、2001年、奄美大島沖合の東シナ海で起きた北朝鮮の工作船事件では、船に接近した際、100発以上の銃弾を受け、乗組員3人がけがをしました。

「あまみ」は2004年から佐世保海上保安部の配属となり、海難救助や密漁船の取締りなどを担ってきましたが、老朽化で引退することになりました。

佐世保市の岸壁で開かれた解役式では、「あまみ」に掲げられた国旗などが降ろされたあと、船長が船首などに酒をかけ、乗組員が船体に書かれた番号を白いペンキで塗りつぶしました。

「あまみ」の野澤貴典船長は、「工作船事件は海上保安庁の歴史を変えるような、日本の安心・安全に大きく影響した事件だった。国境の海を守ってきた船に対してよくやった、頑張ったと声を大にして言いたい」と話していました。

「あまみ」の解役を受け、今月13日付けで、佐賀県の唐津海上保安部から巡視船「まつうら」が配属される予定だということです。