米軍オスプレイ墜落事故から1か月 日本側の捜査は事実上困難

アメリカ軍の輸送機「オスプレイ」が鹿児島県の屋久島沖に墜落した事故から29日で1か月です。
アメリカ軍は残る1人の捜索を続けるとともに海から回収した機体などを調べて事故原因の究明を進めるとみられますが、日本の捜査機関が機体の検証を行う場合はアメリカ軍の同意が必要で、日本側の捜査は事実上、困難な状況です。

アメリカ空軍の輸送機「オスプレイ」が先月29日、屋久島沖に墜落した事故では、アメリカ軍が今週、屋久島空港の沖およそ1キロの海中で見つかった機体の主要部分を引き揚げたほか、当時の飛行状況などを記録した「ブラックボックス」を回収しました。

事故を受けてアメリカ軍は、世界に配備しているすべての種類のオスプレイの飛行を停止していて、今後、事故原因の究明を進めるものとみられます。

一方、第10管区海上保安本部は、事故直後に回収した機体の残骸について写真を撮影するなどしていて、アメリカ軍に対し捜査への協力を要請しています。

ただ、日本の捜査機関が機体の主要部分などの検証を行う場合は日米地位協定などに基づきアメリカ側の同意が必要で、日本側の捜査は事実上、困難な状況です。

今回の事故では、乗員8人のうちこれまでに7人の遺体が収容されていますが、残る1人の行方はわかっておらず、アメリカ軍などによる捜索が続いています。