オスプレイ事故 海上保安本部 原因究明へ米軍に協力要請

先月、アメリカ軍の輸送機「オスプレイ」が屋久島沖に墜落した事故で、第10管区海上保安本部は、アメリカ軍に対し事故原因の究明に向けた捜査への協力を要請したことを明らかにしました。

アメリカ空軍の輸送機「オスプレイ」が先月29日、屋久島沖に墜落した事故では、海上保安庁や地元の漁業者などが回収した機体の一部とみられる残骸がアメリカ側に引き渡されています。

また、海中で見つかった機体の主要部分についても、近くアメリカ軍が引き揚げに向けた作業を始める見通しです。

こうした中、第10管区海上保安本部は21日の記者会見で、アメリカ軍に対し事故原因の究明に向けた捜査への協力を要請したことを明らかにしました。

公務中に起きたアメリカ軍の事故で、日本の捜査機関が証拠品の押収や関係者の事情聴取を行う場合は、日米地位協定などでアメリカ側の同意が必要とされています。

7年前、沖縄県名護市沖でアメリカ海兵隊のオスプレイが大破した事故では、海上保安庁が任意の事情聴取に応じるようアメリカ軍に要請しましたが、回答がない状態が続きました。

このため、アメリカ軍がまとめた報告書などから、機長の操縦ミスが事故の原因と判断し、名前などを特定できないまま航空危険行為処罰法違反の疑いで書類送検しました。

今回も海上保安庁の要請に対し、アメリカ側の同意が得られなければ、日本側による原因の解明は困難になりますが、アメリカ側の対応について、第10管区海上保安本部は「捜査中のため詳細については差し控える」としています。

第10管区海上保安本部の坂巻健太本部長は「米軍の事故なので地位協定などに従って進めていくことになるが、われわれも機体の一部や残骸については写真撮影などを行って所要の捜査を進めている。今後も必要に応じて米軍に協力要請を行っていく」と述べました。