技能実習生が不当な処遇と訴え 厚労省が監理団体に改善命令

枕崎市で技能実習生として働いていた複数のフィリピン人が監理団体などから不当な処遇を受けたと訴えている問題をめぐり、厚生労働省は実習計画が法令に沿っているか確認や指導をしていなかったなどとして、監理団体に対し改善命令を出しました。

この問題は、枕崎市のかつお節の加工会社で技能実習生として働いていた複数のフィリピン人が、寮の寝室が国の運用要領が定める広さを満たさず、不十分な住環境で生活を強いられたほか、外出を制限されるなどの不当な処遇を受けていたと訴えているものです。

厚生労働省は監理団体の「枕崎市水産物振興協同組合」が実習先を監督する立場であるにもかかわらず、実習計画が法令に沿っているか確認や指導をしていなかったほか、実習生が定期的に負担する費用について実費より多く徴収していたとして、今月4日、改善命令を出しました。

厚生労働省は、命令から1か月後をめどに書面で改善内容を報告するよう監理団体に求めていて、その報告をもとに今後の対応を検討するとしています。

「枕崎市水産物振興協同組合」はNHKの取材に対し、技能実習生から不十分な住環境だと指摘された寮についてはすでに使用していないとした上で「行政処分を真摯(しんし)に受け止め、対応していきたい」とコメントしています。

実習生側は近く監理団体や加工会社を相手に損害賠償を求める訴えを裁判所に起こすことにしています。