奄美群島 日本復帰までの歩み伝える 地元の人が演じる劇上演

奄美群島 日本復帰までの歩み伝える 地元の人が演じる劇上演

鹿児島県の奄美群島が日本に復帰して70年になるのを記念して、地元の人たちが俳優となり、復帰までの歩みを演じる劇が奄美大島の瀬戸内町で上演されました。

17日、瀬戸内町にある「きゅら島交流館」で上演された演劇は、現代に暮らす5人の子どもたちが祖母から幼少期の奄美の様子を聞く場面で幕を開けます。

奄美群島は戦後、沖縄などとともにアメリカ軍の統治下に置かれ、復帰運動の末、70年前の1953年12月25日に日本に復帰しました。

舞台では、戦時中に戸惑いながら出兵する男性の姿のほか、島内での空襲の様子が再現されました。

そして、復帰を求める署名活動が島民がひとつになって行われた様子などが演じられていました。

俳優をつとめたのは、瀬戸内町や奄美市など奄美大島に暮らす小学3年生から60代までの29人で、会場を訪れた200人近い観客は地元の人たちの熱演に引き込まれていました。

演劇を鑑賞した瀬戸内町の長久桂子さん(81)は「私が小学6年生の時に奄美は復帰した。当時の苦しい生活を思い出した」と話していました。

舞台で演じた瀬戸内町の酒井晴加さん(13)は「舞台を通じて奄美に戦争があったことを知った。奄美の歴史を語り継いでいきたい」と話していました。

この演劇は、今月24日に奄美市市民交流センターでも上演される予定です。