川内原発20年運転延長 薩摩川内市の田中市長が容認を表明

川内原子力発電所の20年運転延長について、薩摩川内市の田中市長は12日、「運転期間延長を容認することを表明します」と述べ延長の容認をはじめて明らかにしました。

川内原発の原則40年の運転期間が、1号機で来年の7月、2号機で再来年の11月に迫る中、原子力規制委員会は、先月、九州電力が申請していた20年の運転延長を認可しました。

この運転延長について12日薩摩川内市では市議会本会議が開かれました。

そして運転延長に賛成する陳情が賛成20、反対1で採択、反対する陳情が反対20、賛成1で不採択となり薩摩川内市議会として、20年の運転延長を認める姿勢が示されました。

これを受けて田中良二市長は続けて開かれた全員協議会の場で川内原発の20年運転延長について「運転期間延長を容認することを表明します」と述べ、薩摩川内市として延長の容認をはじめて明らかにしました。

判断の理由として田中市長は、運転延長を認めた12日の市議会の判断や原子力規制委員会の認可など6項目をあげました。

全員協議会のあと田中市長は、取材陣に対して、「運転延長について法的に市長の同意の規定はないが原発の立地自治体としての市民の安心安全を預かる当事者としての責任があり判断した」と述べたうえで引き続き、九州電力や国、県に対して安全性の徹底を求めていく考えを明らかにしました。

薩摩川内市の田中市長が川内原子力発電所の20年の運転延長を「容認する」と表明したことについて、鹿児島県の塩田知事は、「さまざまな地元の意見や原子力規制庁、九州電力の対応をじっくり考慮した上での判断だと受け止めている。県としては、原子力規制庁の説明などさまざまな要素に加え、現在開会中の県議会の議論を踏まえて、考えを整理したい」と話していました。

県議会の総務警察委員会では、13日から運転延長に賛成や反対などの立場をとる3件の陳情が審査される予定です。